多様化するクレジットカードに対するセキュリティ対策
今や発行枚数3億枚とも言われるクレジットカード。
銀行のキャッシュカードとあわせて不正利用が後を絶ちません。
5、6年前に比べると半減したとはいえ未だに100億円以上が不正利用されています。その中でも偽造カードによる不正使用は全体の半数近くを占めています。
その対策として急速に広まったのが【生体認証カード】です。
指静脈などを用いて本人確認をするシステムで、大手の都市銀行ではすでに導入が完了しているところがほとんどです。急速に広まった背景には、不正利用の被害を銀行が保障することになったことがあります。
生体認証の導入によって“暗証番号を知っている本人以外の人間”が現金を引き出すことが不可能になり、今では当たり前になったICチップ内臓のキャッシュカードとあわせてセキュリティ対策も随分強化されました。
銀行は自らの責任を回避する上でも重要な生体認証システムをいち早く取り入れましたが、クレジットカードの場合まだまだそう簡単にはいきません。ICチップの導入も欧米には随分遅れをとりました。
ようやくICチップ内臓のクレジットカードが主流になり、偽造カードを作ることは難しくなりましたが、相変わらず暗証番号を盗み見られたり盗撮されたりして不正に利用されたりする被害は減っていません。
またインターネット決済が急増する中、ハッキングやスパイウェアなどによる情報の漏洩も深刻な問題です。ネット決済の情報漏れの場合、すぐには気づきにくく本人の自覚も無いことから思いがけない不正請求の被害にあったりすることも少なくありません。
クレジットカードの場合、新規参入や異業種との連携により決済システムもだんだん複雑になってきています。
不正発覚の際の責任の所在も不明瞭な会社が多く見られるのが現状で、現段階では頼れるのは自己防衛のみといったところでしょうか。