ICチップ内蔵のクレジットカード

従来からのICチップ内蔵クレジットカード

ICチップはいまや、さまざまな商品に搭載されています。クレジットカードもそのひとつです。

ここでいう「従来からのICチップ」とは、キャッシュカードやクレジットカードの左側などに付いている「四角い金属の部分(端子)」です。1990年代には普及が進み、クレジットカードをはじめさまざまなカード類に採用されています。

それ以前のカードでは、「磁気ストライプ」という方式がメインでした。裏面上部にある黒い帯ですね。しかし詰め込める情報は少なく、かつセキュリティ面で問題が指摘されたことも。そこで十二分な情報を詰め込めて、セキュリティに優れるICが普及したのです。決済も低額ならサインレスなど簡単&スピーディになりました。

※現在でも、お店の「ポイントカード」などでは、磁気ストライプだけを備えるものがあります。

もっとも、クレジット払いにおいて「磁気ストライプだけが処理できる端末」を使う店も存在するため、多くのクレジットカードは表に金属のICチップ、裏の上部に磁気ストライプ双方を備えています。この仕様は2010年代では特に話題にするようなことでもありません。

厳密に言えば、全ての加盟店・クレジットカードから磁気ストライプ機能が無くなってしまったほうがセキュリティ上は良いのですが…。

非接触で決済!ソニーのIC技術「フェリカ」

さて、ソニーが開発した非接触IC技術「FeliCa(フェリカ)」についてご紹介します。

端末にカードを「差し込む」から「かざすだけ」に進化させたのが、このソニーの非接触方式技術です。従来型ICに比しても、より偽造・変造しにくくなり、極めてスピーディなデータの送受信が可能となりました。またデータを書き換えることでカード本体はずっと使えるのでエコ面でも優秀です。

このフェリカを採用しているものには、まず電子マネー「楽天Edy(エディ)」や、「nanaco」「WAON」などがあります。「おサイフケータイ」搭載のモバイル端末にもこのフェリカチップが内蔵されています。

「PASMO(パスモ)」「Suica(スイカ)」を始めとする「交通系電子マネー」もこうした電子マネーです。「電子マネー」はそもそも普及が’00年代から。非接触型の決済機能が付いているのはいわば当たり前です。

フェリカ技術は、そのほか電子社員証や電子チケット、ネットショッピングや音楽のネット配信にも活用されています。

電子マネー楽天Edyは、プリペイド方式で、自在にチャージして使えます。お店のレジにある専用端末にタッチするだけなので、コンビニ・ユーザーなどに人気です。カード型もあれば、NTTドコモ、au、ソフトバンク等の「おサイフケータイ」としての利用も普及しています。交通系マネーの便利さも言うまでもないところですね。
なお、こうした電子マネーは、3,000円程度のリーダー/ライターを使えば自宅のパソコンでも残高照会や瞬時のタッチによる決済ができネットショッピングにも対応します。ポート付きPCなら直ぐ対応します。

チャージはクレジットカードで

ある程度の額をチャージしておけば日頃の買い物にとても重宝するのが前払い型電子マネー、たとえば「楽天Edy」です。サービス登録時に、クレジットカード情報を登録しておけば、クレジットカードから楽天Edyをチャージできます。パソコンでもケータイでもチャージできるのでお手軽です。

チャージ対応のクレジットカードは、豊富に出揃っています。ただし「チャージでポイントが貯まるカード」は多くはありません。貯まるものなら、カード・電子マネー双方のポイントも貯まるので一石二鳥です。

カード一体型も

例えば楽天カードには、楽天Edy搭載タイプがあります。つまり一枚のカードで従来型ICクレジットカード・非接触型電子マネー両方の機能を備えます

イオンカード(WAON一体型)、「ビュー・スイカ」カードなども、このように非接触技術とクレジット機能を一体とする点で優れています。

ポストペイ型電子マネー+クレジットカード

非接触型ICを利用しているのは、前払い・プリペイド型電子マネーだけではありません。「iD(アイディー)」や「QUICPay(クイックペイ)」といった「ポストペイ型電子マネー」も有るのです。

このタイプはクレジットカードと組み合わせて使用し、そもそもチャージ不要。支払いはクレジットカード払いの請求と一緒になる方式です。ポイントはクレカ利用と同様に付くのが原則です。

※ドコモではDCMX miniというサービスがあり、クレカ無しでも「iD」を利用できますが、限度額は1万円/月など相当低いもの。ポストペイ型電子マネーをクレカとの紐付けすれば、親となるクレカの月間利用枠の範囲で使えるのが基本です。

代表的な所で三井住友カードではiD、JCBカードではQUICPayを発行できます。これらはカード一体/おサイフケータイ/分離型カードが好みに合わせて選べます
特筆すべきはオリコカード。iDやQUICPayを備えるカードを発行する他、iDとQUICPayをダブル搭載するなど、意欲的な取り組みが目立っています。

セキュリティ・スピード感に優れたICチップ・非接触技術の普及は、今後のクレジットカード利用に一層の手軽さと便利さ、安心を与えてくれるのです。